■ 3大介助それぞれの注意点
食事介助、入浴介助、排泄介助の3大介助の注意点を紹介しています。
■ 食事介助
① 食事前に必ず食形態やメニューが合っているかを確認する
食事前に以下を確認しましょう。
- 利用者様の情報
- 食事の形態・水分のとろみ付加
- 食事・水分制限等ないか
- 食事の介助方法(アイスマッサージが必要等)
② 食事の時間を意識する
全介助の場合は決められた時間内に切り上げるようにしましょう。食事の適切な時間の目安は30分と言われています。
長くかかってしまうと食事への集中力が切れ、誤嚥を起こしてしまうリスクがあるからです。逆に急かしすぎるのも嚥下がしっかりできなくなってしまう可能性があるため危険です。
ただし、施設によって方針が異なることもありますので、食事の進みが悪い場合には職員様に確認して指示を仰ぎましょう。
③ 嚥下を確認してから次の食事を口に運ぶ
口の中に残渣物があるなど嚥下できていない状態でいると、誤嚥を引き起こしてしまうリスクがあります。
食事介助の際にはムセがないかなどを含め、飲み込みを必ず確認しながら行いましょう。
■ 入浴介助
① 利用者様の情報を入浴前に理解しておく
入浴前には以下の情報を確認しておきましょう。
- 疾患
- 身体の状態
- 入浴時気を付けること
- 介助方法
- 入浴後必要な処置
② 必ず声掛けをしながら行う
急に触れたり、お湯をかけたりすると、利用者様を驚かせ恐怖心を与えてしまいます。介助を実施する前には、毎回必ず声をかけるようにしましょう。
③ 露出が増えるため、寒さや羞恥心に配慮する
入浴は、肌の露出が増えます。
寒さやご本人の羞恥心には十分配慮し、浴室のドアやカーテンを速やかに閉めたり、入浴ギリギリまでタオルをおかけすると良いでしょう。
入浴時の利用者様への配慮や方針は事業所様によって異なる場合がありますので、職員様の指示に従いましょう。
④ 入浴温度は必ず確認する
シャワーや浴槽の中のお湯の温度は、必ずご自身の手で適切かを確認しましょう。
⑤ すぐに応援を呼べるように連絡手段を確認しておく
入浴時は温度差が生じやすく、その影響で血圧が著しく変動し、脳卒中や心筋梗塞などを発症させるリスクがあります。
入浴介助時は、利用者様が急変しやすいため、万一の際の連絡手段をあらかじめ確認しておくようにしましょう。
浴室に備え付けのコールの位置を確認しておくことで、いざという時のスムーズな対応に繋がります。
■ 排泄介助
① 物品をあらかじめ用意しておく
排泄介助も入浴介助と同様に利用者様の露出が増えます。
長時間の不要な露出を避けるためにも、必要な物品はあらかじめ用意しておき、速やかに排泄介助を完了させるようにしましょう。
また、拭き取りタオルや陰洗ボトルのお湯の温度はご自身の手で必ず確認するようにしてください。
② 体位交換の際には、手や足を巻き込まないように気を付ける
利用者様の身体を側臥位にする時に、過って手や足を巻き込んでしまうと、大きな怪我に繋がってしまう恐れがあります。
ベッド上でのおむつ交換の際に仰臥位から側臥位にする場合は、手や足を巻き込まないように注意しましょう。
③ トイレ介助時には長時間放置しない
トイレ介助時に便座に座ってもらった状態で長時間放置するのは危険です。
知らない間に利用者様が立ち上がろうとして転んでしまったり、トイレの便座ヒーターにより、低温やけどを起こすリスクがあります。
排泄が長くかかりそうな時には、時々ノックをして声をかける、またはトイレの室内に入り様子を確認するなど、見守りを徹底するようにしましょう。
④ 排泄物や陰部・臀部等に異変がないか確認する
排泄介助時には、陰部や臀部に異変がないか観察し、排泄物の色や形、量等を確認するようにしましょう。
異変があれば職員様に報告し、記録にも残すようにしましょう。